『最上のわざ』

映画「ツナグ」を観ました。

 

両親と観ました。下記の詩は、樹木希林のアイデアで急遽盛り込まれたものらしいのですが、本当に印象的です。エンディングでこの詩の朗読が流れるとき、年老いた両親のすすり泣きと一緒に聞きました。良い映画です。原作のままです。どちらもいいので、是非ご覧になってください。自分では言えなくても、両親への感謝の気持ちを伝えられるように思います。

 

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「最上のわざ」


 この世の最上のわざは何?


 楽しい心で年をとり、働きたいけれども休み、しゃべりたいけれども黙り、

   失望しそうなときに希望し、従順に、平静に、おのれの十字架をになう。

 

   若者が元気いっぱいで神の道を歩むのを見ても、ねたまず、人のために働くよりも、

   謙虚に人の世話になり、弱って、もはや人のために役だたずとも、

   親切で柔和であること。


 老いの重荷は神の賜物、古びた心に、これで最後のみがきをかける。
 まことのふるさとへ行くために。


 おのれをこの世につなぐ鎖を少しずつ外ずしていくのは、真にえらい仕事。
 こうして何もできなくなれば、それを謙虚に承諾するのだ。


 神は最後にいちばんよい仕事を残してくださる。
 それは祈りだ。
 手は何もできない。
 けれども最後まで合掌できる。
 愛するすべての人のうえに、神の恵みを求めるために。


 すべてをなし終えたら、臨終の床に神の声をきくだろう。
「来よ、わが友よ、われなんじを見捨てじ」と。

 

*春秋社『人生の秋に』 ヘルマン・ホイヴェルス著より